2017 民進党代表選挙特設ページ
2017年8月18日

野党第一党にジェンダー平等政策を期待する会との対談

ジェンダー平等を期待する会私たちは、野党第一党にジェンダー平等政策を期待する会と申します。この機会に民進党には、野党としてジェンダー平等政策を掲げて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

枝野今日はこういう場を作っていただいてありがとうございます。野党第一党という立場と同時に、民進党の一つのアイデンティティは、多様性のある社会です。中でも、今の日本では残念ながら、男女が分断され、女性が様々な意味で多くの困難を抱えているケースが非常に多いです。ここを解決するということは、多様性ある社会を創るうえで大変重要なポイントであると思っています。そうした意味で、日ごろからそうした活動をされている皆さんから、ご意見ご要望、ご質問を頂くというのは、私にとってというよりも、党にとって、また日本の政治全体にとっても意味のあるものだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

ジェンダー平等を期待する会まず、民進党が野党としての政治運営における男女共同参画法案をまとめられて、この前の国会では結局審議されませんでしたが、女性の議員を増やすという点について積極的な姿勢を示していますけれども、そのことについて伺いたいです。女性議員を増やすということだけではなく、党内の意思決定の場面に女性をどのように参加させていくつもりでしょうか。

枝野特に国会議員の中での女性の絶対数が少ない現状があります。それだけに、そうした皆さんが、党全体の意思決定、政策決定の中枢を担っていくということがないと、ますます、多くの女性の実情と声から党の方向性や政策がずれてしまうと思っています。最大限、女性議員の皆さんが、意思決定の中枢を占められる体制を作りたい。さらに、この代表選を機に、地方議員の皆さんなどの声を政策決定にどう反映するか、そうしたプロセスを強化しなければと思っています。なかでも女性議員の声を反映していく仕組みを作っていきたいと思っています。

ジェンダー平等を期待する会現在の政権は、女性活躍という言葉を掲げて政策を打ってきています。これらの政策をどのように評価していますか?野党第一党としては、男女平等に関する政策として、どういう形で打ち出そうと思っているのでしょうか。

枝野女性活躍という言葉をニュートラルに聞けばもっともらしい言葉ですが、「男女共同参画という言葉を使いたくない」というのが前提にあるのではないでしょうか。男女共同参画社会という言葉に対する意識の違いがあると思っています。 そのうえで、いま進められている「女性活躍」政策が、労働力不足を補うために、安い労働力として活用しようと、そういう流れになっていますが、これは本来とは違います。民主党政権のときの一つの成果は、男女共同参画の第3次の政策を作ったこと。当時私自身も政策づくりに参加しましたが、安い労働力として女性を使うのではなくて、男性とのハンディなくできるという、本来のあり方に戻していかないといけないと思っています。

ジェンダー平等を期待する会つぎの質問は、民法改正に関してです。つぎの国会で女性の婚姻年齢の引き上げが出てくる予定になっています。そうすると、論点として選択的夫婦別姓制度が進捗のないまま残されることになります。この点についてどう思いますか。

枝野私がはじめて選挙に出たときの3つの具体的な公約の一つが、選択的夫婦別姓の実現でした。24年も実現できないとは思いませんでしたが、それだけ壁が厚いということです。この問題は、社会の在り方として、男女共同参画社会の実現に向けても大きな象徴的なテーマだと思うし、多様性を認め合う社会という観点からも、大きなポイントだと思っています。最大限の力を注いで頑張っていきたいです。

ジェンダー平等を期待する会現政権の女性活躍ともかかわりますが、法務省には人権擁護局というのがあって、人権課題を掲げているのですが、その筆頭は女性となっています。主に女性への暴力に関するものを重視しているようになっています。この方面についての取り組みとしてはどのようなことを考えていますか。

枝野性暴力の被害に対する支援法についての声がたくさんあがっているにもかかわらず、あまり進んでいません。強姦罪に関する刑法改正ができましたが、ただまだまだ不十分です。実際の性暴力被害のすべてをカバーはできていません。これについてもできるだけ早く、次のステップへ進まないといけないと思っています。

ジェンダー平等を期待する会次は家庭教育についてです。自民党から家庭教育支援法案を提出するという動きがあります。また、自民党の改憲草案の24条も家庭の在り方を大きく規定しています。これらの基になるような考え方について、どう思いますか。

枝野24条の改悪案は、憲法改悪全体の一つの象徴だと思います。自民党は、みんなが彼らの考える典型的な家族像に入れるという、ということを押し付けようとしています。それはまさに男性も女性も、カップルや家庭の在り方も、それぞれ様々な価値判断、選択があるのに、それを自分の思う色に染めようとしているとうことです。24条の改正も、家庭教育支援法も、明確に大反対です。おかしい、だめだというメッセージを発信し、たたかっていくことは、多様性を認め合うという、我々のアイデンティティとしても重要だと思います。

ジェンダー平等を期待する会民進党は人への投資を掲げていますが、この政策と女性議員を増やす、意思決定の場面に参画させる、ということとの関係性はどういうふうになっているでしょうか?別々の政策に見えるのですが、どうでしょう。

枝野今の日本の現実社会では女性が大きな負担を負っています。その現場の実態をしっかりと受け止めて、多くの場合担い手をされている女性を、介護であれ子育てであれ、社会全体で支えていく、ということしなければならない。そうした意味で、現場の声を受け止めやすい女性議員が、政策形成のところにしっかりと声、現場の実情を反映させていくことは重要だと思います。そのことで中身のともなった、人への投資の具体策が作られていくということです。

ジェンダー平等を期待する会こちらから用意してきた質問項目は以上です。何か議員の方からアピールしたいことがあればお願いいたします。

枝野女性の政治参画に向けては、現実的にいろんな意味でのハンディキャップがある。女性の方が議員になりにくい現状があるので、クォーター制、あるいは実質的なクォーター制をどう進めていくのか。これは従来からわが党は積極的にやってきたつもりではあります。ただ現実に、女性の候補者が出て、勝つためには、もっときめ細かい、強力な体制が必要だと思っています。全体としての選挙対策、党の組織というとこのメンバーも加わった形で、具体的にどう進めていけば女性議員が増えていくか、ち密なチームでもって進めていきたいと思っています。

ジェンダー平等を期待する会具体的なチームをつくって女性議員の数を増やすというのは、どのような方でチームを作るのでしょうか。

枝野まずは、議員を増やしたいと思っています。そのためには勝てる地盤があるところ、地方自治体議員や党員サポーターがいるところに、意欲がある女性候補を擁立していくと、こういう工夫と知恵が必要だろうと思う。なかなか空白地帯に予算をつけても、現実的には厳しい。なので、選挙対策委員会や組織委員会と連動して、この地域ならこの支援体制という風に、地域ごとに組まないと選挙は厳しいと思います。あとは男女共同参画の活動されている皆さんと連携をはかっていきたいです。

ジェンダー平等を期待する会候補者として、こういう人に政策決定の場に活躍してほしいという人はたくさんいます。それは、自分自身が多くの困難を抱えながら、その問題をたたかっている当事者の方です。女性運動からお願いしたいことは、候補者について党で考えるときに、当事者参画のルートをぜひ開いてもらいたい。女性の人権政策を推し進めていくには、たくさんの当事者の議員が必要です。そのなかでも、とくに暴力根絶政策が重要ですが、それについて何かお考えはありますか。

枝野当事者参画はとても大事だと思っています。政治の仕事は二つあって、一つは誰もがすべてのことを体験しているわけではないので、自分が体験してないことをいかに想像するか、これが重要です。と同時に、国会議員は700人超える数がいるので、この問題についてはこの人が当事者だ、という人がいないと、いかに想像力を働かせても、当事者から話を聞いても足りない部分がある。なので、二つ目としては、当事者が政治に参画するというルートをどうつくるかが課題になっています。 女性に対する暴力の問題については、暴力の被害にあった方を支援、サポートをすることで、実情が明らかになると思っています。

ジェンダー平等を期待する会働き方改革についてはどう思っていますか。

枝野少なくとも労働法制について必要なのは、基本的には緩和ではなくて規制の強化だと思っています。ワークライフバランスという言葉もありますが、仕事もあるけど自分の生活がしっかりあるというのが、家庭生活を営むうえでも重要です。例えば、忙しすぎて、結婚するしないというその判断すらできない状況に追い込まれている人がたくさんいます。それは長時間労働を規制していかないと解決しません。皆が仕事をしていく中で、能力を開花させていくことが、個人にとっても、企業にとっても、社会にとっても価値あることなんだ、という方向性に変えていきたい。

ジェンダー平等を期待する会非正規雇用の7割が女性です。そのため、非正規労働者の環境改善は、女性の改善につながる部分が大きいです。その点についてもう少し聞かせて頂けますか。

枝野正規雇用を希望している方がいるにもかかわらず、継続して同じような仕事が存在するのに、それを非正規で、短期間で人を入れ替えていくというやり方は、当人にとってもよくないし、企業、経済にとってもよくありません。安定的に仕事ができることによって、個人も企業もよりハッピーになれる。できるだけ正規雇用を希望すれば慣れるという仕組みに戻していかないと。 あと大事なのは、同一価値労働同一賃金は、うまくやらないと「同一価値労働ではないから同一賃金ではない」という言い訳ができやすい仕組みです。なので、その難しさを理解した上で、実態として同じ仕事しているなら、正規だろうと非正規だろうと同じ賃金にするべきだし、正規雇用の方が企業にとっても良い、という流れにしたいと思っています。

ジェンダー平等を期待する会2012年でも大きな自殺対策の動きがあり、全体としては年々減ってきています。ただ女性の自殺率の低下はなく、ずっと推移しています。同じく女性の多くが抱えている貧困やセクハラもまた、法改正されてもなかなか減らない現状があります。先ほど話があったように刑法改正で、被害に関する実態認識の面では進展があったということでしたが、自殺率の高さなどからみえる女性の置かれた実状については、議員の皆様には深く理解して頂いて、具体的な政策につなげて頂きたいです。 また、男女共同参画というのは、単に女性の問題だけではありません。特に地域での高齢者の孤立については、男性の孤立死の問題がずいぶん前からいわれてきました。そのために、地域の女性たちが地域の見守りなど様々な取り組みをしています。そういう活動をしている女性を支える、という点も課題にして頂きたいところです。

枝野そういう活動をいまは多くの場合ボランタリーにやられていたりするので、それを制度として、仕事にして支えていく仕組みをしていくこと、そういう皆さんが仕事をしやすい社会づくり、環境づくりをしていかないといけないと思います。

ジェンダー平等を期待する会自治体議員のネットワークのなかでも、女性のネットワークもあるので、そういうところとうまく連動してやってもらえたらと思います。

枝野女性議員ネットワークは我が党にもあって、大変に頑張ってくれています。ただ党本部の中枢を担っているメンバーとコミュニケーションとれてきたかというと、反省すべき点が多々あります。年に2,3回要望を受けて、「頑張ります」というので終わってしまっている。日常的に、政務調査会の各部門の関係するところに直接ぶつけてもらって議論する、ということをすることで、わが党の女性議員ネットワークももっと活きるし、そうすれば、そこに意見を届けようと、様々な活動をしている皆さんにも思ってもらえると思うので、そういういい循環を作りたいです。

ジェンダー平等を期待する会本日はお忙しいところありがとうございました。

枝野ありがとうございました。