2017 民進党代表選挙特設ページ
2017年8月17日

枝野幸男×若者 -若者の“いま”と日本の“未来”-

今回の企画では、若者の現状や将来への不安や展望について、学生・大学院生たちと会談を行いました。これは、枝野自身が民進党のビジョンとして、「国民とともに歩む政党へ」を掲げていることと関わっています。HPにも記載した通り、「永田町の論理ではなく、国民の目線でみずからの足元を見つめ直す」、それが枝野の目指す民進党、ひいては政治の在り方です。今回の企画は、その実践の「はじめ一歩」ともいうべきものです。

また、枝野はもう一つのビジョンとして「未来志向のビジョン」を掲げています。未来について考えるには、その未来を実際に作っていく人たちの声が欠かせません。そこで、実際に今後その社会の担い手となっていく若者と、未来への不安や展望について、率直に語り合いました。

1.若者が“いま”抱えている課題

枝野どうぞよろしくお願いします。

学生若者の現状についてということで、まずは学費や奨学金の面です。たとえば私の場合、いま私立の大学に通っていて、4年間で400万円くらい学費がかかります。奨学金は無利子のものを借りていて、ざっと見積もって合計200万円くらい借りています。民進党のサイトには教育の無償化って書いてありますけど、実際にできるんでしょうか?

枝野財源が要るので、今すぐ0円にする、というのはなかなか難しいです。でも、例えば奨学金をもらっている人の負担が大きいから、全額ではなく半額だけ返してもらうようにするとか、そもそも学費そのものをできるだけ抑えるようにする、ということはできると思います。そのためにかけるお金は、あまり利用されない道路をつくるよりも、ずっと皆さん自身の未来のためにもなるし、それだけではなくて、日本の未来にとっても大きな投資だと考えています。

学生急いでやらないと、というのはその通りですよね。僕らなんかは学費が無償化されても、もうすでに遅いですし(笑)。

枝野奨学金の返済についてはどうでしょう。今まさに奨学金を返済している人のなかでも、正規雇用で、まずまず安定したところに勤められた人はまだ余裕があるかもしれません。ただ、この就職難の状況で、それを望んでもできない人で、なおかつ多額の奨学金を借りてる人には、二重にハンディがあると思います。だから、過去にもさかのぼって対応することも必要だと思います。ちなみに、今借りられてる奨学金は何年くらいで返しきるプランですか?

学生20年くらいです。

枝野なるほど、いまは返済の途中から利子がつくとか、奨学金の返済にもいろんなケースがありますよね。家族を持ちたいと思っても、奨学金の返済と、非正規雇用による不安定な状況とでできない、という若い人たちがいると思うので、すでに奨学金を返済し始めている人に対しても、対応していかなければならないと考えています。

学生先ほど国立と私立の違いについて、昔は国立なら安かったという話がありました。私は国立大学出身ですが、学部のときは4年間奨学金を借りていました。親からの仕送りもほとんどなかったので、バイトをして、自分で居住費や生活費を賄っていました。なので、確かに私立と比べれば国立大学は学費が安いですが、かといって生活が楽かと言えば、そうとは言いきれません。

枝野ひと昔前は、「私立の学費は出せないけど、国公立なら出せる」といわれてたのが、今は国公立でも、他の要因なども合わさってなかなか厳しい状況ですよね。バイトをして学費や生活費を稼いでいる人の割合は、上の世代と比べてかなりギャップがあると思います。たとえば皆さんの周りで、完全に仕送り以外で生計を立ててるような人はいるんですか?

学生自分たちの周りでも、仕送りが全くない人は一定程度います。でも、バイトをすればするほど勉学に支障が出るというような、そういう状況があると思います。

枝野まずは、その実態を上の世代が知ることが重要だと思います。僕らが学生の頃にも、学費や生活費のためにバイトをしているという人は一定程度いました。ただ、やはり当時は遊ぶためにバイトをする、というのが圧倒的に多かった。いまもそういう面が多少はあると思いますが、その割合の認識に大きなギャップがあるんです。こういう機会を通して、そういった認識と実態のずれについて私自身知っていかなければと思います。そして、その実態について、政治がきちんとメッセージを発していかなければと思います。

2.自分たちの将来と日本の未来

学生これまで若者の“いま”についてお話してきました。つぎは、これから日本社会の担い手になっていく若者一人ひとりが、自身の将来について考えていることについてお話していきたいと思います。まずは働き方についてです。 私はいま、大学院に通いながら福島県のいわき市のNPOで働いています。地方で働いていて感じるのは、自然も豊かで、都会と比べてストレスのない生活ができるということです。ただ、お給料はついてきません(笑)。都市部にいながら地方と関われるとか、地方にいても給料が保障されるとかが重要。こういった労働環境を、どういうふうに改善していこうと思っていますか。

枝野日本では以前から、規制はできるだけ少なくする方がいいんだ、という流れが続いてきました。働き方についてもそうです。もともと労働基準法がきちんと守られてこなかったうえに、それを緩めるような政策が採られてきた。この流れは逆転させなければならないと思います。 もう一つ、地方でちゃんと暮らしていけるようにするのはとても重要です。介護や子育てなどを家族が担いきれなくなっているいま、そこを社会が充実させれば、働く場の形成にもつながります。保育士などの仕事をたくさん作って、ちゃんとしたペイを支払えば、地方でも生きていけるようになるはずです。

学生個人的に保育園でバイトをしていたことがあります。その保育園は、お母さんが夜働きに出たとき、24時間保育をやってるところでした。夜も交代で10人くらい子どもを預かる、ということをやっていました。必要とされている職なのに、人手が足りていなくて、保育士さんの労働環境はかなり大変だと感じたのを覚えています。

枝野人手不足なのに、給料が安いという働く側の現状や、保育所が足りていないために、預けたいと思っている家族も困るという、負のスパイラルが起きています。これは保育士さんが典型的ですが、同じ仕組みはそこかしこにあります。政治がお金を出さないせいで人手不足になっていて、それで回っていない分野が山ほどある。そこにいかにお金を回していけるかが、いま問われていますね。

学生他にも自分たちの将来でいうと、子育てのはなしが切実です。家族などのネットワークが薄まっているいま、実際に子どもを産み育て、仕事を続けられるのかがとても不安です。あとは子育てだけでも大変なのに、親の介護もやらなきゃならないってなったときに、とてもやっていけないだろうなと感じます。「女性だから」ということで、子育てや介護をやらなきゃいけないというプレッシャーもあります。こういった課題を、どうやって解決していきますか?

枝野政治には、どうしてもいろんな政策が、世代間の対立の話にさせられてしまう面があります。でもそれは実は違うんです。子育て、介護、教育ということを、いかにみんなで分かち合っていけるか、高齢者の政策にみえても若い人にもメリットあるし、若い人向けの政策でも高齢者にもメリットあるし、というところにいかにつなげていけるか。これが重要なんです。

学生最後に、原発についてお願いがあります。私はいわき市で生まれ育って、いまそこのNPOで働いています。未来のことを考えたときに、私自身は原発をなくしていった方がいいという立場です。ただ、原発を減らしていくときに、その痛みを福島だけに押し付けるのではなく、日本全体で痛みを分かち合いながら解決していく必要があると思っています。国政レベルの大きいところで話すことと、福島の人たちの実態との間に乖離があると感じています。その実態を政治家の方たちが知ったうえで、国政レベルでどうしていくか、という話をしていってほしいです。

枝野それまで福島に存在していた地域や家族のコミュニティが、あの事故によって奪われました。それは、もう取り返しがつきません。そのことを私は、絶対に忘れてはいけないと思っています。 原発をやめる場合、その難しさをセットで考える必要があると思っています。やめるって言うことは簡単だけど、やめることによって受けるマイナスに目が行き届いていないと、現実にやめることができない。廃炉するにも廃炉技術者を育て続けなければならないし、使用済み核燃料の問題もある。そういうきめ細かいことをきちんと練る必要があります。これについても、やはり当事者、現場の人たちの声をどう吸い上げるかが重要だと思います。その現場で家族が分断されているという実態や、コミュニティが壊れたことによって失われたものが何なのかというのは、東京の机の上ではわかりません。現場に踏み入って、声を聴いていかなければならないと思っています。本日は貴重な声を聞かせて頂いて有難うございました。